科学哲学とリサーチ手動のアプローチにより進化を続ける初の第三世代ブロックチェーンであるCardanoは、まもなくShelleyをリリースし、完全な分散化を達成した(非許可型の)パブリックブロックチェーンとなります。パブリックブロックチェーンは原則として、データを変化させることなく記録し保存します。ブロックチェーン上のデータを変更することはできないのです。しかし、Cardanoブロックチェーン上に保存されるデータがどのようなものであるかは、時として分かりにくいこともあります。今回のブログでは、Cardanoブロックチェーン上に保存できるデータとはどのようなものか、また、保存に適さないデータとはどのようなものかをご紹介します。EMURGOはCardanoの公式商業化部門として、Cardanoエコシステム向けの製品を開発し、投資を行い、教育事業を展開し、企業へのアドバイザリーを行っています。我々にとってデータストレージとは、重要な注力分野であるのです。
日常生活のなかのデータ
データは私達の日常生活のあらゆる場面に存在します。全世界のデータプールは大きく、高い価値を持ち、常に拡大を続けています。データの保存、分類、分析、販売を行う産業は、グローバル経済の重要な一角をなしています。データはグローバルのサプライチェーンや販売サイクル、マーケティングキャンペーン、ヘルスケアプログラム、ビジネスマネジメント等を構成する要素です。このような分野において、データの大半は、比較的少数の関係者のためにローカルで収集されます。
データを収集し活用するシステムの多くは、中央集権型かつ許可型のシステムを採用しています。このようなシステムの例としては、特定事項に関わる大量の情報を記録できる、高度に集権化された許可型の台帳であるスプレッドシートが挙げられます。私達の日常生活に存在するデータのなかには、プライバシーの程度が保証された一定数の人々にしか関与しない性格のデータであるたゆえに、データストレージの手段としてはグローバルなオープンソースによるブロックチェーンテクノロジーが適さないものもあります。
Cardanoにおいてデータが果たす役割とは
Cardanoは、グローバルに分散された非許可型台帳であり、パブリックブロックチェーンです。すなわち、ブロックチェーン上に保存されたデータはセキュリティに対する強いニーズを持つシステムを利用するすべての人にとって必ず重要なものであるということです。これは、情報がすべての関係者にとって重要というわけではない集権型台帳とは対照的です。たとえば、牧草の成長率のデータに対する関心は、グローバルなものではなくローカルなものということができます。一部の人にとっては重要ですが、すべての人にとって重要とは言えません。
Cardanoを活用したすべての人にとって重要なデータには、主に2つの種類があります。
① 価値の所有権(誰が何を所有しているか)
パブリックなCardanoブロックチェーン台帳上に保存されるデータとして重要なものの1つが、「誰がどのような資産を所有しているか」という情報です。Cardanoの公式商業化部門であり高い評価を獲得するヨロイADAウォレットの開発者であるEMURGOにとって、これはCardano ADA暗号通貨のウォレット残高を記録することを指します。
CardanoブロックチェーンにおいてADAが果たす役割は、こちらのブログ記事をご参照ください。ウォレットアドレスは所有者個人のものですが、Cardanoブロックチェーンはウォレット残高を記録し、そのユーザーがトランザクションを実行できるだけのADAを保有していることを確認する必要があります。
Cardanoブロックチェーンが資産の所有権を記録しなかったならば、Cardanoブロックチェーンが存続することは出来ません。資産の所有権を記録することは、Cardanoにとって非常に重要であり、資産が重複して使用される問題の解決に寄与するのです。
② 価値の移転(誰が何を取引するか)
Cardanoブロックチェーンが記録するデータのもう1つの重要な側面が、ネットワーク上のユーザー間で行われるトランザクションです。従来の金融システムのトランザクションは、銀行などの信用を受けた第三者によって有効と認められます。Shelleyのリリースによって、トランザクションはステークプールにブロードキャストされ、そこでトランザクションの正当性が検証されます。
このようなトランザクションは、琥珀のなかの化石バエのようにCardanoブロックチェーン上のブロックですべての人の目に触れる形で保存されます。世界中のすべてのCardanoユーザーにとって、トランザクションが記録されるということは重要です。データが保存されなければ、だれがそのようなトランザクションが行われたことを証明できるでしょうか? 誰も見ていないところで現金のやり取りを行うようなものです。
Cardanoのデータと、EMURGOによる優れたCardano製品
2019年4月、EMURGOは、豊富な新機能を搭載したCardano ADAブロックチェーンエクスプローラー、セイザの開発に関する発表を行い、その後2019年5月に提供を開始しました。セイザは、ユーザーのADAトランザクション、ウォレット履歴、アドレス、ブロックサイズ、ステークプール等のCardanoブロックチェーンに関する重要情報の追跡を実現します。CardanoがShelleyの時代の開始に伴い、ステーキング、ステークプールの完全な分散化を達成し、ADAの流動性を向上させるにあたり、この優れたCardano ADA製品はますます重要性を増していくことでしょう。
Cardanoパブリックブロックチェーンのユーザーが求める記録の完全なセキュリティと透明性を必要を、セイザはシンプルなユーザーインターフェイスで提供し、ユーザーエクスペリエンスを向上します。
EMURGOはdLab/EMURGOアクセラレーターを通じ、CardanoフェローのRobert Kornackiがトランザクションの確実性に関する問題に対処するために開発したSyreもサポートしています。Syreは、受信者のウォレットアドレスの確認に関する懸念点を解消することで、ユーザーが簡単に、不安なくCardano ADAのような暗号通貨を送信できるトークンレスのインボイスベースの先進的なプロトコルです。 ブロックチェーンに依存することなく簡単に導入でき、ユーザーはすべてのトランザクションを安心して実行できます。ブロックチェーンを介してADAを取引すると複雑なウォレットアドレスの確認に手間取るものですが、この製品はADAのようなデジタルアセットの送受信において独自のバリュープロポジションを持ち、ユーザーエクスペリエンスを高めます。
最後に
Cardanoは、ブロックチェーンに関わるすべての人にとって重要なデータを記録するパブリックブロックチェーンです。2つの基準により、ブロックチェーン上に保存できるデータの種類が決まります。Cardano上に保存されるデータにとって2つの重要な柱とはすなわち、価値の所有権と移転です。
データベースやスプレッドシートのような中央集権型かつ許可型のデータ保存に比べると制約があるように見えるかもしれませんが、この2つのデータ保存の形態は、いずれもきわめて独自の役割を果たしています。非許可型のオープンなブロックチェーンであるCardanoは、中央集権型かつ許可型の台帳との相互運用も可能です。
ブロックチェーンのデータの拡張性、持続可能性、相互運用性に対する要求に応えるため、正式な方法と非常に信頼性の高いコードとを用いて構築された真にグローバルなプロトコルであるCardanoは、無数の可能性をユーザーに提供することができるのです。
EMURGOは、Cardanoをグローバルに発展させる
EMURGOはCardanoブロックチェーンの導入を促すだけでなく、Cardanoの分散型ブロックチェーンエコシステムを採用しているプロジェクトや組織を創出し、投資やアドバイスを行うことによってCardanoブロックチェーンの利便性を向上します。ブロックチェーンの研究開発から得た専門知識および業界パートナーとのグローバルなネットワークを活かし、組織や人材教育等の支援を行っています。
EMURGOは2017年6月に日本で創業し、以降シンガポールやインドネシア・インド・ニューヨークに展開しており、Cardanoプロジェクトの公式な商業化部門として活動しています。Cardanoエコシステムのグローバルな成長、そしてCardanoブロックチェーンの導入促進のためにIOHK/Cardano財団と連携しています。プロジェクトの詳細については、https://jp.dev.emurgo.io/ をご覧ください!
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