金融規制当局は、セキュリティトークンの分類と発行に関する正式なガイドラインの多くは現時点ではまだ発表されてはいないものの、セキュリティトークンやSTO(セキュリティトークンオファリング)の規制に対して、独自のアプローチを採用しています。多くの国ではSTOは非合法と見なされ、STOが既存の証券取引法を遵守するよう求められることも多々あります。ガイダンスや宣言を行っていない国では規制はグレーゾーンのままであり、こうした管轄区域では、発行者は遡及的に規制を適用される問題に直面することもあります。一部の国では、STOの実行に関するフレームワークや比較的簡単なプロセスが用意されていますが、複数の管轄区域にまたがってSTOを行う場合、さまざまな国の規制のために、資金を調達しようとする企業の費用がかさんだり、リスクが高まったりしていました。Cardanoの公式商業化部門であるEMURGOは、STOの複雑さを熟知しており、このような利益を獲得が見込める分野に関して、アドバイザリーサービスを提供することができます。
こちらの記事もご覧ください:A Sneak Peek at User Issued Assets & Security Tokens in Cardano(Cardanoにおけるユーザー発行の資産とセキュリティトークンの概要)、ブロックチェーン入門:ユーティリティトークンとは何か?セキュリティトークンとの違いとは?
・舞台にした複雑なコンプライアンスのゲーム
株式クラウドファンディングを行うとなると厳格なコンプライアンスはつきものです。一方、私募では個人投資家が除外され、限定募集における免除規定ではSTOの取引や価格の上昇が抑制されます。このため、多くのプロジェクトでは、多くの管轄区域の届出と免除の規定をうまく組み合わせ、セキュリティトークンに関して明確なルールを持つ管轄区域で取引を申請することにより不利益を被る可能性を抑えつつ、出来る限り多くの投資家が参加できるようにして、STOを実施してきました。
多額の資金を集めたSTOの多くは、正式な認可を受けていたり、多くの純資産を有していたり、適格な投資家に対象を制限していました。個人投資家の参加を認めた株式クラウドファンディングもいくつかありますが、ほとんどの場合(特に多額の資金を調達する場合)、多くの管轄区域での免除規定に基づき、販売を制限するほうが簡単でコストも少なくて済みます。たとえば、ほとんどの大規模なSTOではレギュレーションDの免除規定を通じて、米国の認可を受けた投資家からの資金を受けていました。
・ベンチャーキャピタルの民主化
ブロックチェーンテクノロジーは資本の民主化を約束するものであるため、多くの人はデジタル資産の提供により、ベンチャーキャピタルや中小企業向けの資金調達が刷新されることを期待しています。マーケットの参加者たちは、世界には何兆ドルもの「トークン化可能」な資産があるのに、投資の機会へのアクセス権は不平等ではないかと考えています。楽観的な個人投資家たちは、市場は成熟しているため、規制は個人投資家を守る方向に働くであろうと期待しており、また、コンプライアンスや開示に関する規格が明確になり法制化されれば、国家はやがては市場を開放し、より多くの人が市場に参加するようになるだろうと考えています。しかし現時点では、未だに大きな乖離が存在し、それぞれが得られる機会も不平等で、規制のアップデートが必要であることは明らかです。インフラストラクチャが成熟し、分散化を実現する他の方法(価格決定に小売が介入できる、分散化されたデリバティブなど)が現れるには、まだ時間はかかるでしょう。
・今何が起こっているか? これから何が起こるのか?
デジタル資産市場、特にデジタル証券市場は、これまでにはなかったものです。新たに市場が登場するときの常として、規制当局が状況を把握し、規格が定められるのには時間がかかります。これまでに行われたSTOは比較的少ないとは言え、インフラストラクチャは急速に拡大しつつあります。インフラストラクチャや認知が拡大・向上するにつれて、アクティビティや資産のトークン化は飛躍的に拡大していくでしょう。
新たなアセットクラス ~ デジタル証券のエキサイティングな特徴のひとつが柔軟性です。トークンには、利益の共有によるユニークな連携に加え、単一の製品ラインから配当を得られる可能性があることは、これまでにご説明してきた通りです。将来的には、証券とユーティリティトークンの組み合わせや、まだ見ぬ全く新しいアセットクラスが登場する可能性もあります。
更なる透明性、開示、アカウンタビリティに対する継続的な要請 ~ 投資家は増加を続ける製品や投資の機会の中から優れた投資機会を見出そうとしているため、包括的な情報開示は、ビジネスにおける重要な慣行となると思われます。
業界標準 ~ インフラストラクチャが構築され、成功したモデルや実践が市場から評価されるようになれば、広く採用される業界標準が確立されるものと思われます。たとえば、ますます多くのトークン規格が提供されており、またそれらを共通のものに統合しようという取り組みがなされていますが、どのプレイヤーが勝者となるかが決まるにはまだ時間がかかるでしょう。
・EMURGOが提供するサポートとは
他社に先んじてSTO(あるいはその他のトークンオファリング)を行うことに興味をお持ちですか? Cardanoの公式パートナー商業化部門を担うEMURGOは、御社に最適な方法を決定するためのサポートを提供します。EMURGOの主要ビジネスユニットのひとつが、アドバイザリーサービスです。専門家によるチームが、企業やプロジェクト、トークン経済におけるミッションにあわせて、さまざまなコンサルティングサービスをご提案致します。
今年の初め、EMURGOは、アントレプレナーによるSTO等の手段を通じた資金調達をサポートする、トップクラスのデジタルマーチャントバンクおよび投資銀行であるY2Xへのアンカー投資を行い、CardanoがY2Xやポートフォリオ企業に選ばれたプロトコルとなることを発表しました。
EMURGOは、Cardanoをグローバルに発展させる
EMURGOはCardanoブロックチェーンの導入を促すだけでなく、Cardanoの分散型ブロックチェーンエコシステムを採用しているプロジェクトや組織を構築し、投資やアドバイスを行うことによってADAの価値を高めます。ブロックチェーンの研究開発から得た専門知識および業界パートナーとのグローバルなネットワークを活かし、ベンチャー企業の支援を行っています。
EMURGOは2017年6月に日本、2018年5月にはシンガポールに設立されました。以来、Cardanoプロジェクトの公式な商業化およびベンチャー部門として活動しています。Cardanoエコシステムのグローバルな成長、そしてCardanoブロックチェーンの導入促進のためにIOHKと連携しています。プロジェクトの詳細については、https://jp.dev.emurgo.io/ をご覧ください!
EMURGOをフォローしましょう!
・公式Webページ: dev.emurgo.io
・Twitter (英語): @emurgo_io
・Twitter (日本語): @Emurgo_Japan
・Youtube: EMURGO
・Telegram: EMURGO Announcements
・Facebook: @dev.emurgo.io
・Instagram: @emurgo_io
・LinkedIn: @emurgo_io
ヨロイウォレットについて
・ヨロイTwitter: @YoroiWallet
・ヨロイWebページ: https://yoroi-wallet.com/